川で釣りをしていたら、上流から枝が流れてきた。
釣糸が引っ掛かると厄介なので近くに落ちている枝で手繰り寄せて避けようとしたら…何か動いてね?…ギャーーヘビだーー!!
何てことありませんか?
今回は日本の渓流で遭遇する可能性のある毒蛇と対処法についてまとめました。
興味のある方は読んでみてください。
毒蛇の種類と生息地
日本にいる毒蛇は主にマムシ、ヤマカガシ、ハブの3種類です。
中でもハブは沖縄や奄美などが主な生息地で、本州に生息しているのがマムシとヤマカガシです。
実際、川で釣りをしている際に遭遇する危険性があるのはマムシとヤマカガシなのでその2種類を詳しく紹介していきます。
マムシの生息地と特徴
川で釣りをしていると割と見かけるのが上のような看板です。
生息域はとても広く、沖縄地方以外の北海道、本州、四国、九州に生息しています。
主食がカエルのため、カエルの多く住む水辺や湿った茂み、藪などに良くいます。
渓流の岩場の隙間などもヘビにとって隠れやすい場所であるので注意が必要です。
マムシの特長
正式名称:ニホンマムシ
- 体長は20㎝~最大でも60㎝くらいで稀に1mくらいになる個体もいる
- 胴体が太めで尻尾が短い
- 性格は大人しく積極的に人を襲うことは稀
- 頭の形は三角形に近く模様は銭形と呼ばれる楕円の斑点模様、体色は茶褐色で、目は黒目部分が縦長の形をしている
- 基本的には夜行性で昼間は藪や岩場の影に隠れている
ヤマカガシの生息地と特徴
ヤマカガシの生息域もマムシ同様、北海道、本州、四国、九州です。
マムシ同様、カエルを好んで食べるので、水辺を好んで生活していますが、個体数が多く広く分布しているのでマムシよりも人間の生活圏に近い場所(田んぼや用水路)にも巣を作り棲んでいます。
その個体数は多いのですが毒蛇の被害としてはマムシよりも少ないです。
毒牙が口の奥側にあり、かつ牙が短い、毒を出すための筋肉がないなど、人が噛まれても毒が届かないことが多いからだそうです。
ヤマカガシの特長
- 体長は40cm~120cmでマムシより少し大きめ
- 性格は大人しい個体が多いがたまに攻撃的な個体もいる
- 暗緑色の体と背中に赤と黒の鮮やかな模様がある
ヘビの毒性について
〔マムシの場合〕
噛まれた直後の痛みは少なくても、時間がたつにつれ痛みと腫れが増していきます。
足をかまれると次第に歩くのが困難になるので、川釣り以外でも登山や沢登り中は注意が必要です。タンパク質を溶かして筋肉や血管を壊す、出血毒です。
神経毒も少量含まれており、斜視、 複視(両目の視線の向きが合わない、ものが二つに見える) などの症状が出ることがあります。
毒性は強くハブの2~3倍あると言われており、致死性は大体被害にあわれる方の1%くらいです。
〔ヤマカガシの場合〕
毒性が非常に強く主な症状は血液凝固作用。
血液中に毒が混じると溶血(血液が壊れる)が起き、毛細血管の集中する鼻の粘膜、歯茎、肺からの出血や全身の皮下出血などの症状が起きます。
また、出血や溶血が原因の頭痛が起きることがあり、この場合は注入された毒の量が多いと考えられているので一刻も早い治療が必要です。
【因みに、ヤマカガシの毒は餌であるニホンヒキガエルが持っている毒を体にためて使っているようでヒキガエルの生息していない金華山(宮城県)のヤマカガシは毒を持っていないようです。】
噛まれないための対策
釣りをしている際に蛇にかまれないようにするためには、
- 足元の不明瞭な場所は避けて通る。
- ゲーター等で足を保護する。
- 蛇を発見したら速やかに遠ざかる。
特に、ゲーターを履いて足を保護するのはとても有効です。
靴下やウェーダーと合わせて蛇の牙の長さ以上厚みで足を防御すれば大方大丈夫になりますね。
もし噛まれてしまったら
マムシ、ヤマカガシ共に噛まれる時の多くは、藪や草むらで人が蛇の存在に気付かずに踏んでしまったり、近づきすぎたりした場合が多いようです。
もしも噛まれてしまったら、蛇の姿を確認し、安静にするのではなく一刻も早く病院に行きます。
治療が遅れればそれだけ全身に毒が回り命に係わる可能性があるのでとにかく急ぎましょう。
応急処置の方法
ポイズンリムーバーというアイテムを持っている場合は、その場で毒を吸い出します。大体が注射器型のもので、噛まれた部分より心臓に近い場所をタオルなどで縛り、血流を停滞させてからリムーバーを当てて吸い出します。
噛まれた直後にのみ効果があり、5分以上たってしまったようであれば効果があまりないので、そのまま病院に急行した方が良いです。
まとめ
釣りは自然に赴く遊びなので毒蛇に遭遇することもあります。
危なそうな場所にはあえて近づかないことが重要になります。
不意な遭遇を想定して体を防御するアイテムを用意、着用しておくことはとても重要です。
毒蛇の見た目や特徴も覚えておくといざというとき落ち着いて行動できます。
応急アイテムも事前に使い方を読んでおくなどして準備しておきましょう。
もしも噛まれたら、落ち着いて一刻も早く医療機関を受診しましょう。
そのための連絡手段、交通手段等も確認しておくことが被害を最小限にするために重要になります。
危険を避けて楽しい釣りをしましょう。
今回は以上です。
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