セオドア・ゴードンという方が考案し、ニューヨーク州のキャッツル地方というところで発展してきたフライでスタンダードパターンと呼ばれる中の一つです。
1800年代からあるとても歴史のあるフライです。
今回はこのクイルゴードンのタイイングについて解説します。
クイルゴードンの作り方
クイルゴードンは、その名の通りピーコッククイルを使用したフライになります。タイイングでは、このピーコックが切れやすいので注意しながら巻くのがポイントになってきます。
〔今回使用するマテリアル〕
- フライフック:ティムコTMC-100BL(使用したフックサイズは#12)
- スレッド:8/0 グレー
- ストリップドピーコック
- レモンウッドダックの羽
- コックネック(Ltブルーダン)
〔タイイング〕
1:バイスに固定したフックにスレッドを下巻きしていきます。
2:コックネックの根本部分のファイバーを数本毟り、テイルとして取り付けます。
3:ストリップドピーコックを取りフックベンド側に取り付けます。
〔ポイント1〕:ストリップドピーコックは、ピーコックハールのフリュー(毛の部分)を取り除いたものです。ピーコックアイ(目玉のような模様の部分)の付近がコントラストがあり綺麗なのでこの部分を使います。
〔ポイント2〕:ピーコックのフリューを取り除く方法は?
- 消しゴムでこする。(巻く本数が少なければ、綺麗に取れるのでおすすめ)
- 蝋を垂らして固め、一気に引き抜く。(綺麗にフリューを取り除けるが少し手間がかかる)
- フリューリムーバーを使う(薬品を塗り、ティッシュなどで フリュー 取り除きます。正直、消しゴムの方が使い勝手がいいです)
- もともとフリューを取り除いてあるものを購入。(本数を巻く人は、こちらがおすすめです)
4:取り付けたピーコックを巻いていきます。(切れやすいので慎重に巻いていきます)
〔ポイント3〕:ピーコックはストークが弱く切れやすいです。取り付ける前に水で濡らしておくと少し強くなります。
5:レモンウッドダックを使用してウィング部分を作ります。
フックシャンクと同じ位の長さになるようウッドダックの羽をスレッドで固定し、前側にもスレッドを巻いてウィングを立ち上げます。
ウィングにならない不要な部分を切り落とし、ウィングを二等分して、間にスレッドを8の字に巻いていきます。(虫の羽っぽくなるように)
レモンダックが取り付け終わったら、コックネックをウィングの下にとりつけます。
5:コックネックハックルを巻いていきます。
8~9回転くらい巻いていきます。
6:ハックルを始末してスレッドを留めます。
最後に、ヘッドセメントを付けてアイを固めたら完成です。
クイルゴードンの使うタイミング
日本でのこのフライはカゲロウなどメイフライのイミテーションとして使われます。なので使うタイミングもカゲロウがハッチするタイミングとなります。
フックサイズを変更することで色々なカゲロウのイミテーションとして使用できます。
- 4~5月…小型のハッチが多いのでフックも小さめに。
- 6~7月…大型のカゲロウのハッチが始まるのでフックも大きめに。
- 9~10月…シーズンラストも大型が多いので大き目のフックで。
また、ピーコックやハックルの色を変えるとフライの印象も変わるので面白いかもしれません。
最後に
クイルゴードンはスタンダードというだけあって、使いどころが多いです。欠点としてはピーコッククイルが切れやすいことですが、数を巻けばカバーできると思います。
また、ピーコッククイルは色んなフライで使われるマテリアルです。
ダビング材以外でフライのボディを巻く練習にもなりますので、ぜひタイイングに挑戦してみてください。
今回は以上です。
最後まで読んでいたきありがとうございます。
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