スポーツフィッシングの対象魚として人気の高いブラックバス。
環境の順応性も高く日本各地で水産資源を食い荒らし、害魚指定とされていますが、そんな彼らも一つの生き物です。
今回はそんなブラックバスの生態について少し紹介していきます。
ブラックバス(オオクチバス)の生態
ブラックバスは学名:オオクチバス(スズキ目、スズキ亜目、サンフィッシュ科、オオクチバス属の魚で、主にオオクチバスのことを指します。
学名の通り、スズキの仲間で、バケツのような大きな口をしているのが特徴です。
顔立ちもスズキに似ていますが、スズキは海の魚でブラックバスは淡水の魚です。
以下に、ブラックバスの基本スペックを記載します。
- 原産:主に北米が原産。
- 日本での分布:北海道以外の全国。
- 生息地:平地の沼、池、湖(ダム含む)、河川中~下流域と環境対応能力が高いため、広範囲に生息している。
- 大きさ:成魚で約30㎝。60㎝を超える大型の物もいる。
- 食性:肉食、動いている物なら何でも食いつく
- 産卵期:春、水温15~25℃くらいの時期
- 寿命:10年を超える個体もいる
- 釣り:主にルアーフィッシングの対象魚
- 食用:以外に淡白で美味しい魚。
オオクチバスは温水性の魚で、水温の下がる冬場は活動が鈍ります。
他にも身を隠せる障害物や物陰に潜む特徴があります。
こんな感じの魚です。
日本流入の歴史
ブラックバスの日本でのデビューは1925年。
赤星鉄馬さんという方が箱根の芦ノ湖に放流したのが最初と言われています。
元は、日本の内水面での食用の魚不足を解消するために日本政府許可の元、繁殖力の強い魚をアメリカ、カリフォルニアから持ち帰り放流したのが始まりです。
最初の放流数は90匹。
その後、数回に分けて、日本各地の湖に放流されていきました。
ここから日本のブラックバスの歴史が始まりました。
後か、先かは分かりませんが、釣りの対象魚としても面白いという事で、釣り人がバスを持ち帰り、各地の沼、ダム、湖などに放したことにより全国に広まって行きました。
ブラックバスの釣り
ルアーフィッシングと聞いたら、ブラックバスを最初に思い浮かべる人は多いと思います。
ブラックバスは臆病な魚ではあるのですが、とても好奇心が強く、肉食の魚です。
自分の体長を超える獲物にも食いつくことがあります。
小魚や昆虫を模したルアーにもよく反応する魚です。
それまで、生きた餌(ミミズやサシなど)を使った釣りが大部分を占めていた日本の内水面の釣り歴史において、女性や子供でも手軽に始められるルアーフィッシングは、釣りに対する敷居を下げ、釣り業界においてブラックバスは多大な貢献をした魚だと思います。
ルアーフィッシングのタックル
ルアーフィッシングはロッド、リール、ライン、ルアーがあれば始められる釣りです。
加えてブラックバスは繁殖力の高さ故、割と身近に生息している魚です。
以下にルアーフィッシングを始める際の道具を紹介しておきます。
〔ルアー初心者におすすめのタックル〕
- ルアーロッド:スピニングロッドが使いやすい。最初は6フィート(約1.8m)くらいが使いやすい。
- リール:スピニングリール。(サイズの大小あるがロッドにバランスを合わせる)
- ライン:ナイロンライン。これも太さがあるが8~12ポンド(2~3号)の太さが使いやすい。
- ルアー:星の数ほど種類があるが、トップウォーター、ミノー、クランク、バイブレーション、ワーム(ソフトルアー)など、水深別に狙えるルアーを揃えておくとよいです。
他にも、ベイトタックル(ベイトリールを使用したタックル)がありますが、初心者の方が使うには、練習と慣れが必要です。
このタックルを使うとよりピンポイントを狙いやすくなる為、障害物(ストラクチャー)につくブラックバスを、より狙いやすくなります。
※バスフィッシングはひと昔前に一世を風靡しましたが、最近では特定外来生物などの問題により、下火になってきています。
ブラックバスの害魚問題
ブラックバスは肉食の魚です。
色々な小魚を捕食対象にするため、そういった魚の養殖を営んでいる場所にバスが流入してくると、漁師の方たちの死活問題になります。
また、タナゴ、モロコなど日本固有の魚も捕食対象になってしまいます。
こういった日本固有種の魚の繁殖力よりもブラックバスの捕食、繁殖能力が高いためにすべて食い尽くされてしますのではないか?と生態系のバランスが崩れることを危惧されています。
そのため、現在のブラックバスは特定外来生物に指定され、捕獲後の再放流、移動が禁止されています。
今では各地で積極的にブラックバスの駆除が行われています。
バスからしてみれば、勝手につれてこられて、邪魔だから駆除されるという何とも迷惑な話ですね!
キャッチアンドリリースの考え方
ルアーフィッシングのブームとともに浸透してきた言葉ではないかと思います。
釣りの本質は、漁であると考えます。
キャッチアンドリリースとは必要数を捕獲して種を守るために、小さな魚、捕り過ぎた魚を逃がす。
と言うのが個人的な考えです。
ルアーフィッシングをしていてブラックバスを食用と考える人は少ないのではないでしょうか?
バスフィッシングにおいてキャッチアンドリリースとは、スポーツフィッシングの一環としてのルール的な要素が強いような気がします。
釣れたら放すのが当たり前。
のような考えが広まれば、本来、天敵であるはずの人間がブラックバスを生かし、結果、爆発的に増えて被害をもたらす結果になっているような気がします。
遊びの一環として釣りをするのを悪いこととは思いません。
が、魚の性質や生態系などを考慮することは、遊びを続ける、遊び相手を守るという観点からもとても大事なことだと思います。
因みに、ブラックバスは食べても結構おいしい魚ですよ。
ブラックバスはうまい?
はい、ブラックバスは美味しく食べられる魚です。
ただし、捕れた場所によって臭みが強かったりします。
水質の悪い場所で捕れた魚であれば少し泥臭くなります。
その場合は、持ち帰った魚を真水で数日泳がすか、調理法を検討するほかありません。
ブラックバスのおすすめの調理法は、
- 塩焼き
- ムニエル
- フライ
です。
白身の淡白な魚であるため、ただ塩焼きにしても割とおいしく食べれます。
ウロコが少し硬いのでしっかりとって調理しましょう。
ムニエルなど、香草と炒めるような調理法であれば多少臭みのある場合でも軽減できます。
小骨のあまりない魚なのでフライにしても食べやすいです。
食べやすく調理しやすい魚の大きさは20~30㎝くらいです。
魚の臭みは皮をひけば気にならなくなることが多いので3枚におろしておけばいいと思います。
調理法によっては渓流魚に負けないくらい美味しい魚なので機会があれば食べ見てください。
ブラックバス料理を出すお店もあります。
まとめ
ブラックバスについてここまで紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?
ブラックバスは肉食の魚で日本の内水面の生態系に影響を与えているのは事実であると思います。
今後の日本でどれだけのブラックバスが生き残るかは分かりませんが、釣りジャンルの歴史を築いた魚であると思います。
また、せっかく食用として日本に来た魚ですので、機会があればぜひ一度食べてみてもらいたいです。
印象が少し変わるかもしれませんよ?
バス釣りから始めた自分としては今後の日本のブラックバスの行方をしっかり見守っていきたいと思います。
今回は以上です。
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